LZ127Profile

「グラーフ・ツェッペリン」で世界周航

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第二、第三区間

太平洋上航行

初めてのカモメ

我々が目指す海岸はまだずっと遠いのに、初めて白いカモメが見えた。そのカモメは嘴に平和の象徴であるオリーブの枝をくわえて、太平洋の大海原の向こうに大地があることを知らせようとする鳩のようであった。
老練な船乗りは、陸地が近くなるとそれを嗅ぎ分けるそうである。だが、最もはっきりと判ったのは、電報が雨のように降ってくる無線によってであった。
そのひとつが次のものである。

「『グラーフ・ツェッペリン』船上、8月25日
我々はカリフォルニア海岸に異常に速い速度で接近中である。5基のエンジンをすべて駆動している。時速、160キロメートル。
まだツェッペリンを見たことがないロサンゼルスは大きな緊張に包まれている。
ドイツの発明家たちに、エッケナー博士はすばらしい発明を発表した。通信士は勤勉に業務を遂行して、その模範的な業務によりロサンゼルスからの熱狂的な称賛を受けた。」

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