LZ127Profile

「グラーフ・ツェッペリン」で世界周航

LZ127Seven

第一区間

航行中の生活

コーヒーのあと、サロンは青年の作業場の様であった。
壁には地図が掲げてあり、テーブルにはそれぞれの国の小さな国旗が立ててあり、誰もが好奇心に満ちた目をして、とにかく何にでも遊び心を示した。
昨日買ったばかりの写真機をあちこちでセットしていた人物は、そのカメラでは習わなくても撮影できると信じているようであった。
日記をつけている者もあれば、夜 蘊蓄を傾けるために星座をすべて覚えようとする者もいた。3人目はトランプ占いのペイシェンスをやっており、4人目は鉛筆で地図上の距離を測り、5番目、6番目、7番目、8番目の人たちは次から次へと絵はがきを書いている。
ある人は、長い羽のついた小さな袋でいっぱいになった箱を持ち込んでいた。彼は2、3時間ごとに郵便を投下できると思っていたのである。ツェッペリンのキャビンの中で、かわいい褐色の巾着は砂嚢とともに、次なる世界旅行を待っていた。

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